(Jin Y et al., Cell, 2017) 転写開始因子複合体が進む方向性は、進化によって獲得された形質である。

 

転写開始点に、転写開始因子複合体が結合して、そこから転写が進むという考え方は、
多くの教科書で説明されている。

 

こういう動画を見たり、説明を聞いたりした時に、
ふむふむとばかり思っていたのだが、
この論文の主題の通り、
そもそも、転写因子複合体が、方向性をもって進み、転写を行うのは、なぜなのか?
また最近では、ゲノム領域の一部で、anti-sense鎖から転写されているということも知られているが、
その区分けを規定するものは、何なのか?
こういうことは、全く分かっていなかった。

著者らは、酵母と、を解析するNET-seqという技術を使って、この問題に切り込み、
元来プロモーターの配列自体には、方向性はなく、
淘汰を受けていない環境では、転写が両方向に進むということを示し、
転写開始因子複合体が一方向に進むのは、
進化の過程で、方向性をもつものが、選択されてきたからだという結論にたどり着いた。

教科書で当たり前に書かれていることにも、
そもそも論的に考えると、不思議なことが多いという感覚は、
日々自分のテーマを時間と戦いながら、進めていると忘れがちだが、
そういう感覚は大切にしたい。

補足で勉強したこと
NET-seq
https://jp.illumina.com/science/sequencing-method-explorer/kits-and-arrays/net-seq.html

FIDDLE
http://www.biorxiv.org/content/early/2016/10/17/081380.full.pdf+html

TSS-seq
http://biosciencedbc.jp/dbsearch/Literature/get_pne_cgpdf.php?year=2009&number=5410&file=hNITpEBJwWxb1STkxKXgXg==

GERP
http://mendel.stanford.edu/SidowLab/downloads/gerp/

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